心に折り合いをつけてうまいことやる習慣を読んでみた。

 アマゾンでの評価が高かったので、図書館で予約して借りてみました。だいたい、アマゾンとかで評価が高い本は図書館だと予約しないと借りれないことが多いですね。

89歳の精神科医、中村恒子さんの生き方を書いた本です。

もっと肩の力を抜いて生きていいのかもしれない

 超ベテランの医師なんていうと、人生上手に生きてきたんだろうなと思ってしまいますが、この本には中村さんの人生のうまくいかなかった時期の話も書いてあり、誰だって人間だから同じように苦しい時期があるんだなーと思えます。

 優しい関西弁から、その人柄があふれだしていて、まるで人生のアドバイスをもらっているみたいでした。

 こうしたほうがいいよと理由や根拠が書いてあるわけでもないのに、ホッとしてしまう。本棚において時々読み返したい本だなと思いました。

孤独死について

 本の中に孤独死についても書かれていました。私も病院に勤めていて思うのは、人間は一人であるという事です。結婚しても相手が先に死ぬかもしれない。子供だって、それぞれの生活がありますし、親子だからと言って縁がずっと続くかもわかりません。人間って孤独だなと最近しみじみ感じていました。

 この本では、中村さんが「孤独死大いに結構」と書ききっていて、なんとなく安心しました。孤独死はなんとなくいけないことみたいな風潮がありますが、病院や施設で死ぬということは、それまで窮屈な生活を送らないといけません。家で誰かに看取ってもらうにしても、その誰かの生活を犠牲にしてしまいます。それを考えれば、孤独死は理想的な死に方かもしれません。

人との距離感は大切

 どうしても人間、嫌な人と会わないといけませんし、好きな人と離れないといけないこともあります。家族だってそう。私は母と長い時間一緒にいると、ぎすぎすしてしまいます。

 中村さんは2世帯住宅に住んでいても、家族との行ききは約束した週末だけ。息子はお嫁さんにあげたものとしているそうです。自分という島があって、時々だけその橋を渡って遊びに行く感じなのだそうです。

 私も、母との距離感をとりながら、穏やかに暮らしたいものです。